2005年05月11日

2005/05/11 米ベンチャーMedis Technologiesが「使い捨て燃料電池」開発

Medis Technologies社は、使い捨て型超小型燃料電池"Power Pack"という、他社とはかなり異なるアプローチを採用した。
 引火点11℃の燃えやすいメタノールではなく、引火点250℃と燃えにくい独自の非メタノール系電解液を使っているため、航空機の機内持ち込みも可能になっている。
Medis Technologies社社長兼最高経営責任者のRobert K. Lifton氏によると、「2005年中にPower Packの生産準備の最終段階を終え、顧客の手に渡るようにしたい。そして、2006年末までに量産体制に入る」という。
Medis 社のPower Packに収められている燃料電池は、80x55x30mm、燃料タンクゼロのときの重量120g、燃料満タン時での重量200g、セル電圧0.5Vで、内蔵DC-DCコンバータを使って5Vまで昇圧する。卓上時計のような外形で,内部に燃料タンクと電源回路を備える。燃料には,水素とホウ素の化合物であるボロハイドライドを使う。燃料の供給にポンプなどを用いない,いわゆるパッシブ型である。本体を強く握り,内部にある液体燃料パックを押し破ることで,燃料を内部の反応層に拡散させて発電を開始させる。


   Medis Technologies社  MTI Micro Fuel Cells社

 材料  水酸化ホウ素(塩基性)  メタノール(CH3OH)

 セル電圧  0.5V        1.9V

 セル寸法  8 x 5.5 x 3 cm3  40 cm3 以下

 引火点       250℃         11℃


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05/05/11 栗本鉄工、FC用金属製セパレーター開発−低コストで高出力に

栗本鉄工所は10日、燃料電池(FC)内部で使う金属製のセパレーターを開発したと発表した。カーボン製に比べ、体積で3分の1に小型化できる上、低コスト、高出力が可能になる。2015年までに金属製セパレーターを使ったFCユニットを年10万台販売し、売上高で100億円を目指す。
産業技術総合研究所と龍谷大学の協力を得て、ステンレス鋼の表面を数百ナノメートルの導電性炭素膜で覆う技術を開発。72時間の連続発電試験でカーボンと同等の性能を確認した。
ただ、発生する硫酸により金属が腐食する課題がある。このため、今後2年以内に腐食防止のためのコーティングの研究を進め、3000時間の連続発電を目指す。
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05/05/11 東京ガスなど6社、家庭用普及型FC開発へ−各種補機を標準化

東京ガス、新日本石油、松下電器産業、三洋電機、旭硝子、旭化成の6社は垂直連係し、運転条件が絶えず大きく振れても十分な耐久性を保証でき、補機に特注品を使わない定置型燃料電池(FC)の実用化開発に5年をかけて取り組む。このため新エネルギー・産業技術総合開発機\(NEDO)のFC実用化戦略的技術開発に100%委託事業で応募、今月末に採択されれば40億円弱を投じて大幅な低コスト、高効率化を実現したFCの開発を始める。
NEDOは定置型FCの普及拡大を目指し、徹底したコストダウンと耐久性を実現するため、FCスタックの劣化解明では関西地区で研究機関や企業と垂直連係で04年度から始めている。
さらに実用化への戦略的技術開発を05年度からスタート。
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2005年04月12日

2005/04/12 米PolyFuel、ホットプレス可能なDMFC用炭化水素系電解質膜を開発

燃料電池用の電解質膜を開発・販売する米ベンチャーのPolyFuelは、日本国内でマーケティングを担当する傳田アソシエイツと共同で記者会見を行い、新しい電解質膜を発表した。
この膜の特徴は、従来主流だった「フッ素系」ではなく低コスト化が見込まれる「炭化水素系」の膜で、DMFC用をターゲットにして開発されており、従来のフッ素系より製造プロセスが簡略化されるため安価であること、メタノールクロスオーバーが少ないこと、耐熱性(ガラス転移温度(Tg)が高い))があることと言った点が挙げられる。
炭化水素系膜は一般にガラス転移温度(Tg)が高いため、膜電極接合体(MEA)を作製する際の電極と膜の接合(ホットプレス)が難しいことがあった。しかし、今回発表されたものは独自の表面改質を行うことでホットプレス可能となるため、炭化水素系膜の基本的な利点を保持したまま、MEA製造プロセスをNafionと同等に行うことが可能となる。
傳田アソシエイツはインテル元会長の傳田信行氏が代表を務めており、PolyFuelに対して日本市場進出に際するコンサルティングなどを行う。PolyFuelは米Intelをパートナーの1社としており、傳田アソシエイツとの関係はIntelからの紹介によるものだという。
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2005年04月11日

2005/04/11 三洋電機と日本IBM ノートPC用燃料電池システムの実用化に向け協業

三洋電機と日本アイ・ビー・エムは、ダイレクトメタノール形のマイクロ燃料電池を用いたノートパソコン用ハイブリッド電源システムの実用化に向けて、共同での研究及び開発することに合意したと発表した。今回、共同研究を始めたハイブリッド電源システムは、燃料電池専用ノートパソコン向けではなく、既存のThinkPadに接続して使用することができる汎用性の高さが特長でノートパソコンの稼動中に燃料カートリッジを交換できるホット・スワップにも対応している模様。このため、燃料カートリッジを交換すれば、時間の制約を受けずに、連続してパソコンを使用することが可能となる。マイクロ燃料電池の持つ「継続的な発電能力」と小形二次電池の持つ「蓄電機能」、「高出力放電能力」を組み合わせることに長時間の運転と運転開始時等の起動性の向上を図ることができる。将来的には、ノートパソコン本体にオプションとして内蔵可能なマイクロ燃料電池など更なる小型化と携帯性を追求していき従来のLiイオン2次電池を使ったバッテリ・パックと同じようにユーザーが使えるための研究開発を今後進めていく。

●ノートパソコン用ハイブリッド電源システム モデルのスペック
【出  力】 12〜72W
【出力電圧】 DC 16V
【使用時間】 燃料カートリッジ1個当り約8時間 
【サ イ ズ】 270 mm × 282mm × 16〜54mm
【質量(燃料除く)】 2.2kg(内蔵バッテリー0.2kg含む)
【燃料カートリッジ】 容量 130cc
【使用燃料】 メタノール
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2005年04月05日

2005/04/05 昭和電工,PEFC用カーボン樹脂モールドセパレーターを開発

昭和電工は,高分子固体電解質型燃料電池(PEFC)向けに,カーボンと樹脂を混合したモールドセパレータ「カーボン樹脂モールドセパレーター」を開発した。これは三菱電機が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)から受託した「PEFCシステム技術開発事業」において,再受託という形でセパレータの開発に取り組んできたもので、特徴は以下の3点。
@通常の黒鉛より導電性が10倍程度優れ、粒径分布および粒子形状を最適化した黒鉛微粉の開発。
A熱硬化系樹脂と熱可塑系樹脂の両方で高導電性、強機械強度、耐久力向上
B金型を使って成形(モールド)により、1枚あたり15秒程度での成形が可能となり、大量生産による低コスト化
同社によれば,15秒/枚で成形できる模様。(従来は数分)
これにより,プレス機や金型の償却コストを大幅に抑えられ大量生産によりコストを1枚100円にすることも可能とのこと。
ガス流路を除いたセパレータの厚さは0.2mm〜0.3mm。同様の厚さのステンレス製セパレータと比べ,重さは1/4に軽量化される。

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2005年03月29日

2005/03/29 東芝,充電時間を1時間から1分に短縮したリチウムイオン電池開発 燃料電池を凌駕する可能性も

東芝はわずか1分で電池容量の80%まで充電できる, 世界初の新型リチウムイオン電池を開発したと発表した。この電池は,リチウムイオン電池の高いエネルギー密度と,蓄電デバイスのキャパシタの急速充電性能を併せ持ったものとなる。
正極材料は,従来のリチウムイオン電池と同じコバルト系だが、負極材料には非カーボン系の粒径が数百nmのナノ粒子金属材料を採用し、バインダーを使わず均一に固定化する技術を開発することにより,初めて電極化に成功したという。
キャパシタの様な急速な充電を行うことで2次電池の持つ充電時間が長いという欠点を改善する画期的なものとなると予想される。(通常の携帯機器のおよそ60倍以上のスピードで充電)
エネルギー密度も体積当たりの出力密度は10kW/L(150〜250Wh/L)と高く、繰り返し充放電における性能劣化もきわめて少なく,1000回サイクル後の容量低下は1%。従来の二次電池を超えるサイクル寿命性能を持っている。
今回,開発した新型リチウムイオン電池は,まず電力・産業用途などへの応用を考えており,2006年中に製品化の予定。将来的には,ノートPC,携帯電話などのモバイル用途も視野に入れているという。これが普及すれば、モバイル用として研究中のDMFCを凌駕する可能性もある。
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